『「出口」から考えるFX』 著 角田和将 (2019) パンローリング(株)

    本書はFXでpips狙うならどのトレードルールが良いのかを、MetaTrader4(MT4)というアプリを使って過去データを検証した結果が記載されています。

    検証通貨ペアはドル円、ユーロ円、ポンド円他5通貨の8通貨。

    過去約10年間の評価期間をファンダメンタルズの要素としてアメリカ国債の長短金利差の縮小・拡大により4ステージに分けて検証しています。

    検証する時間は5分足・15分足・30分足・1時間足・4時間足・日足の6つです。

    それぞれ「10・20・50・100」pipsを狙った場合の検証結果を紹介してあります。

    検証するトレードルールは、一般的によく使われる「長期・短期の移動平均線のクロス」「MACDクロス」「ボリンジャーバンド±3σ逆張り」「前日高値安値更新」「タートルズエントリー」他4種類の全9種類です。

    あくまで 過去データを使ったMT4での検証なので、現在の相場で適用しても同じ結果になる訳ではありません。現在の相場と地合も違いますし、裁量トレードでは自分のメンタルの影響も多分にあるからです。

    実際に私も、本書で良い結果であったトレードルールで自分のお金を投入してトレードしてみましたが、大きく利益を獲得する時もあれば、ロスカットで損失が連続する時もあり、メンタルの弱さからルール通りのトレードが難しくなります。

    ただし、本書の検証期間と同等の期間でルールを厳格に守り機械的に淡々とトレードを繰り返す事ができれば、本書の検証結果に近づく事が出来るのかも知れません。

    実際のトレードでは、損小利大を目指して利益を伸ばそうと利益確定を遅らせたら、ローソク足が反転して損失になってしまう事や、逆に早目に利益確定したら、その後さらにローソク足が利益方向に伸びて、悔しい思いをする事が多々あります。

    本書の検証結果は、状況に合ったトレードルールを使った上で、この通貨、この時間足ならpipsまでは取れる可能性が高いので、もう少し利益確定を待つ、といったトレードの優位性を高める為に使う!事が出来ます。

    本書のように膨大なデータの検証を一個人で行うには、多大な時間と労力を費やさなければなりません。

    最小限の時間で自分のトレードの優位性を高めて勝ちトレードを増やす為には、本書の活用が手助けとなるものと思われます。